昔の人は整髪料に何を使っていたのか? 〜歴史と変遷を解説〜
- KOSEI MUKAIDA
- 3月15日
- 読了時間: 3分

整髪料は、髪型を整えたり、髪を保護したりするために古くから使われてきました。現代ではワックスやジェル、ポマードなど多くの種類が存在しますが、昔の人々はどのようなものを使っていたのでしょうか?本記事では、整髪料の歴史と変遷を解説します。
古代の整髪料
エジプト文明(紀元前3000年頃〜)
古代エジプトでは、美意識が高く、男女ともに整髪料を使用していました。彼らは 動物性や植物性の油(オリーブオイルやヒマシ油) を髪に塗り、艶を出したり、乾燥を防いだりしていました。また、蜂蜜を混ぜることで、髪を固定する効果を高めていました。
古代ギリシャ・ローマ(紀元前1000年頃〜)
ギリシャ人やローマ人も オリーブオイル を愛用していました。特に貴族階級の人々は、香料を加えたオイルで髪を整え、髪型を美しく保っていました。ローマでは 松脂(まつやに) を混ぜてセット力を高める工夫もされていたようです。
中世ヨーロッパの整髪料
中世になると、衛生観念の変化や宗教的な影響もあり、頻繁に髪を洗う習慣が薄れていきました。そのため、髪の手入れには 動物性油脂(ラードなど) を使用することが一般的でした。
また、特権階級では 白粉(しろいこ) を髪にふりかけ、整髪と同時に見た目を美しく見せる習慣が生まれました。特に ルネサンス期のヨーロッパ では、髪を整えるために 卵白 や 蜂蜜 を使うこともあったようです。
江戸時代の日本の整髪料
日本では、江戸時代に入ると独自の整髪文化が発展しました。
鬢付け油(びんつけあぶら)
鬢付け油 は江戸時代の男性が使った代表的な整髪料で、特に歌舞伎役者や相撲力士に愛用されました。これは 椿油 や 菜種油 に 松脂 を混ぜたもので、髪型をしっかりと固定する効果がありました。
女性の整髪料
女性は 椿油 を使って髪を艶やかにし、髷(まげ)を結うために利用していました。庶民でも椿油は広く使われ、現在でも髪の手入れ用として愛用されています。
近代以降の整髪料
19世紀(明治時代)
西洋文化の影響を受け、日本にも ポマード が輸入されるようになりました。ポマードは 獣脂(ラードなど)と蜜蝋 を原料にしたもので、欧米の紳士たちに愛用されました。
20世紀(昭和時代)
昭和時代に入ると、より軽い使用感の ブリリアンティン(油性のヘアオイル)や ヘアトニック が流行しました。特に戦後はアメリカ文化の影響で ジェルやワックス も登場し、男性の整髪料の選択肢が増えました。
現代(21世紀)
現在では、油性のポマードだけでなく、水性ポマード、ワックス、ジェル、スプレーなど、多様な整髪料が存在します。環境や健康への配慮から ナチュラル成分の整髪料 も注目されており、昔ながらの 椿油 などが再び人気を集めています。
まとめ
整髪料の歴史を振り返ると、昔の人々は 自然由来の成分 を活用しながら、髪を整えていたことがわかります。オリーブオイルや蜂蜜、椿油など、今でも使われるものが多く、現代の整髪料のルーツを知ることで新たな視点が得られるかもしれません。
昔ながらの整髪料に興味がある方は、ぜひ 自然素材を使ったヘアケア に挑戦してみてはいかがでしょうか?
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